大安寺は、安土桃山時代の文禄2年(1593年)に麻機沼のほとりにある毘沙門堂の横に創建されました。江戸時代前期の明暦2年(1656年)に現在地に移転されました。
毘沙門堂の中には「木造毘沙門天立像」が祀られております。
平安時代、諸国を旅して修行していた天台宗開祖 最澄(さいちょう)が、駿河国で蔓延していた疫病を鎮めるために、高さ約1mの毘沙門天像を彫りました。
この「木造毘沙門天立像」は静岡市有形文化財にされています。
毘沙門天像の中では比較的穏やかな表情をしており、細身にまとめた姿などから平安時代後期に作成されたと思われます。
当時、毘沙門堂は南向きに建てられていましたが、東海道を通る大名が次々に落馬したことから、毘沙門様を素通りしたためではないかと、人々は噂しました。
このような伝説が今も語り継がれ、大杉稲荷大明神とともに商売繁盛、家内安全のパワースポットとしても注目されております。